「経年変化(けいねんへんか)」とは、時と共に古びたり、磨耗したり、機能が低下した状態のもので、住宅だと新品の畳が日焼けしてきたり色が変わってくるなど、私たちの周りには当たり前にあることです。
ダンボールだって乾燥した場所に長い間放置していると、パサパサとした状態になり、接着面が剥がれてくる場合もあります。逆に湿度が高い場所だとカビが発生し、見た目にも汚くなってきます。
このような変化はどちらかというとあまりよくないものですが、環境が良ければそれなりに長持ちしますし、海外でも日本にも数百年の歴史ある建物が未だに残っています。
住宅の場合、日本の風土の良さを取り入れてこなかった経緯があります。
密閉した建物を作ったがために空調が必要な建物もあるため、建築で使用されている化学物質やカビなどによってアレルギーを起こしている人もいます。表現が正しいかはわかりませんが、「呼吸できない住宅」と呼べるかもしれません。
古くからの建物だと、適度に空気窓がありますし、通気口の役割をしています。床下や壁、ドアの隙間から風が吹いてくることもあるでしょう。
古民家再生というものがあります。
現在は合板などの建築資材を用いることが多い半面、古民家では木そのものを用いて作られることが多かったため、長い年月が経っていてもそのまま活かすことができます。
古くなった柱は角が取れ、適度に丸みを帯び、年月と共に深い味わいを黒く変色した部分からも味わうことができます。良さの賜物と言えると思います。
土台となる柱と梁さえしっかりしていれば、いくらだって修正が効くのだそうです。
服でも同じです。
古布を使うことで味わい深い小物が作れますし、歴史ある模様や素材のものだと、それだけで価値があるものとなります。当時でも高価なものだったでしょうが、その価値を上回るほど希少なものとなります。
例えば、ヴィンテージ仕様がありますね?
ジーンズなどカジュアルなもの、趣味の飾り物などに用いられますが、味わい深さを出すためにわざわざ、古さを見せる加工が施されます。新品ですが古着のように見え、大切に守ってきたもののようにさえ見えてきます。
経年変化という言葉で筆者が「良い」と思ったことには、人に対するものもありました。
人はだれでも年老いていきます。100年経っても10代のように若々しい人は誰一人いません。また、200年も生きている人もいません。
年老いていく中で、物忘れという症状がでてきます。
人によっては良い思い出だけが残り、辛かったことや都合の悪いことは忘れていくのだそうです。
生きて行く中で様々な困難があったでしょうし、物が溢れている時代に住んでいる私たちでは想像もつかないほどの苦労をしてきたでしょう。
現代人にそれを当てはめるとしたら、ストレスから解放され、それで悩んだ時期のことをすっぽりと記憶の中から取り出してしまうようなものになると思います。
「そのような歳のとり方が出来れば素敵」
そう思えたのです。

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11月.29,2011