ダンボールの基礎知識

ダンボールの基礎知識をお話します

紙について

ダンボールの名前は日本人がつけたもので、国産ダンボールを最初に作った方によるものです。

ダンは漢字で「段」、ボールは英語の「board(ボード)」からきていますが、漢字には日本人らしさがあって、ボードを「ボール」としたのはそう聞こえるからでしょうかね。とても日本人らしいネーミングだと思います。

ボールという名前は工作などで使う「ボール紙」も同じで、シート上になった板のことを総称し、ボール紙と呼ぶようです。ちなみに、この紙は元々は藁パルプを用いたもので、昔のそれは現在では黄ボールと呼んでいます。

紙にも幾つかの種類があります。

例えば「ケント紙」「ざらし」「布ボール」「マニラ紙」「茶ボール」「チップボール」「コートボール」などがあり、印刷物に使うものだと、「上質紙」「コート紙」「マット紙」「アート紙」「インクジェット紙」などがあります。折り込みチラシや写真集、カタログにはコートあるいはアート紙が使われています。

他、最近は「再生紙」というものが多く出回っていますが、文字通り古紙を再生したものですが、こちらにも普通の紙のように種類が幾つかあります。

日本には古来から「和紙」や「障子紙」がありますが、非常に強く出来ており、素材もいろいろあるようです。

和紙を用いてダンボールを作るとどうなるのでしょうね。

ダンボールを接合する物

ダンボールは紙から出来ていますが、それぞれの行程で接合する作業が出てきます。

最初はライナーとフルートを合わせる作業があり、ここでは接着する物としてコーンスターチ(デンプン)が使われています。これはダンボールシートを完成させる行程です。

次に、それぞれの箱タイプの型を抜いたシートを組み立てていきますが、ここでも最低1カ所、接合する部分が出てきます。のりしろのような部分で「継ぎしろ」と呼んでおり、接着剤には合成樹脂系のものが使われています。一般には4つ角のうち一カ所だけになり、四つ辺を折るタトウ式のものにはこの行程はありません(形としては奴さんのようなものです)。

ここまではたたんだ状態のままですが、箱として完成させるには底を接合します。接着剤には合成樹脂系のものや、紙や布製のテープ、あるいは接合用平線というものを使いますが、平線の素材は亜鉛や銅メッキを施した錆止めされた鋼線が使われます。なお、ワンタッチ式の場合は接合はしません。タトウ式の物はテープで留められたりします。

錆止め加工された接合用平線は水に濡れる、あるいは長時間経つと加工が剥がれ、ダンボールにサビが付くこともあります。なお、ゴミとして出す場合、不純物となりますのでペンチなどで取って出すようにします。

ダンボール原紙

ダンボールの原紙はライナーと中芯によって呼び名と原料や原料の割合が異なってきます。

中芯には強い物が使われますので、ケミカルパルプ「SCP」やケミグラインドパルプ「CGP」が主原料となったものが使われています。他には強度が高い特芯というものがあります。

ダンボールの表面と裏面はライナーと呼ばれる平坦な紙が使われており、クラフトライナー(K)とジュートライナー(C)と呼ばれるものになっています。クラフトパルプが主原料なら「K」とされ、クラフトパルプと古紙が原料となっている物は「C」とされています。紙の強度としてはパルプのみのものが高く、古紙が混ざっているものは弱くなります。

ちなみに古紙100パーセントだとライナーとしては弱く、新聞紙程度の紙に用いられます。

原紙はライナーとフルート(中芯)を接着してダンボールシートに加工しますが、接着には主にコーンスターチ(デンプン)が使われ、接着することを、貼り合わせると書き「貼合(てんごう)」と言います。また、ダンボールとして製品にする際、接合させる部分が出てきますが、そこを「継ぎしろ」と呼びます。工作やクラフトでいう「のりしろ」のようなものです。

こうやってみると、原紙にする段階で化学処理はされるものの、原料の多くが植物から作られていることが分かります。

ケアマークはきちんと決められたものです

ケアマークとは運搬の際に「一般貨物の荷扱い指示マーク」を表示することで、中身が見えないものに対してどう扱って良いか分かるようにするためのものです。

沢山の荷物を出荷している企業では、あらかじめ箱に印字しますが、ケアマークはjisで決められたものになりますので、勝手に作ったものではありません。

代表的なものだと、ワイングラスの形をした「壊れもの」表示で、中に入っているものが破損しやすいもので注意が必要ですという意味を示しています。

「取扱注意」のものは両手に箱を大切に持っている表示で、衝撃を与えることなく丁寧に扱ってくださいという意味があります。

一般の消費者では分からないマークに、「積み段数制限」というものがあり、長方形の形の上に数字が書かれています。数字は積み段数の制限となります。

私たちがダンボールで物を送るとき、注意して欲しいという意味合いを込めて自分なりにケアマークを書いたりします。例えば「割れ物注意」などですが、運送会社によっては定形外やメール便など料金に応じた配送メニューがあり、それが適応外となることもあります。従って、ケアマークが通用する物としない物があるということを覚えておきましょう。

水に強いダンボールとは

水に強いダンボールを選ぶ際、どのような言葉で伝えたらよいのでしょう。

言葉をそのまま伝えても良いですが、ある程度の知識を持っていると相談もしやすくなります。

防水ダンボールには「はっ水」「耐水」「遮水」というものがあり、はっ水は短時間に対応出来るもので水をはじくものとなります。耐水は長時間の浸水でも強度の劣化を低く抑えられるよう加工しています。遮水は文字通り水を遮断し、長時間水に接触しても水を通さないように加工してあります。

分かりやすく言うと、完全に水から荷物を守りたいのなら「撥水」を選び、長時間の浸水でも耐える程度なら「耐水」を選び、短時間でも良いというのなら「はっ水」を選ぶと良いのです。

水分に対しての実験は「はっ水度試験」というものが行われ、jisの規格としてきちんと示されています。それぞれの試験方法は異なり、「JIS-P-8137」など記号と番号で試験をした結果が表示されなければなりませんので、選ぶ方としても安心できるかと思います。この記号と番号はインターネットで検索しても出てきますので、何も知らずにダンボール選びをするよりは良いのではないでしょうか?ただ、言葉が難しくなっていますので、検査に合格したかという程度で覚えておきましょう。

ダンボールの厚み

何かを梱包しようとするとき、それが大量であるなら専門サイトを利用するかと思います。または直接、業務用ダンボールのお店に行かれることでしょう。

そこで目にしたり耳にするのが「A式箱」や「B式箱」「C式箱」になると思いますが、厚くて頑丈なものと言えば「W段」という言葉も出てきます。逆に薄くても良いのでと言った場合「E段」という言葉になるでしょう。

このアルファベットは箱の大きさを示しているのではなく、厚みを表わしているものでjis規格では「段」と呼ばれ、規格ではB段なら「段の数が30cm当たり 50±2段あるもの」というふうになっています。これだと素人にはチンプンカンプンで、はっきりと数字で示してもらった方が良くなります。

一般に使われているものはA段で、厚みは5ミリあり「A式箱」に使われています。B段は3ミリで「A式箱、あるいはB式箱」に用いられます。一番薄い1.5ミリのE段は「B式やC式箱」に用いられ仕上がりがきれいなことから化粧箱などに用いられます。W段というものはA段とB段を重ねたもので、厚みは8ミリもあります。

数学の話をしているようで難しくなりますが、かなり重いものならW、軽いものならE、普通で良いならAかBという風に覚えておきます。

工作用なら薄くても大丈夫

工作にダンボールを使うなら、厚みはそれほど無くても大丈夫です。

ダンボールの厚みは「E段:1.5ミリ」「B段:3ミリ」「A段:5ミリ」「W段:8ミリ」があり、一般的に使われているのは5ミリで、8ミリはA式とB式が合わさった物でかなり丈夫になっています。

子供たちの工作でダンボールを持ってくるように言われたら、何を作るのか聞いてみると良いでしょう。

箱を用いて仮装する、学芸会に用いるというのでなければ、E段の1.5ミリで十分だと思います。

強度的には一番弱いものですが、工作に耐えうるもので、作業がしやすい厚みになっています。扱いやすいので仕上がりもきれいになり、子供たちの自信に繋がることでしょう。

材料がちょっと違うだけでも扱いやすさや仕上がりに影響しますし、子供たちはその違いが分からず自信喪失と言うこともあります。道具や材料を揃えてあげる側も少しだけ興味を持って事前に調べるということも必要かもしれません。一番良いのは先生方が「お菓子が入っている箱の厚みだよ」というふうに説明があることが必要です。それを受け取る子供たち、どうご両親に伝えるかも必要な要素でしょうが、何を作るかというのが一番大切かもしれませんね。

専用のカッターとは

物をカットする道具にはいくつかあり、用途に応じて選ぶことが出来ます。

美容室であれば美容シザーという髪の毛を切るのに適したはさみが
あります。
映画「シザーハンズ」を思い出させてくれるネーミングですが、
あの映画のように切れ味が良くなければなりません。

何でも切ってしまうなら「万能ばさみ」が適しており、
ダンボールをカットすることも出来ますが、切り口はいまいちです。

手芸用のはさみなら布用と、糸切りばさみ、
他の用途で使える物3種類が必要です。
布用は大事に取っておかないと後で困ることになります。
こちらではダンボールカットは御法度です。

他にはキッチンばさみや園芸用、
工作用など普段から使えるはさみという風になりますが、
ダンボール専用カッターもあります。

専用の物は職人が使うPPバンドも切れてしまう開梱作業に適した物で、
すぱっと切れる物です。
他、工作用としてナイフの形になった物や持ち手がラウンドしている物も
あり、ザクッと切れるものとなっています。
刃は波形でのこぎりに似ています。

工作用の物は500円から1000円程度で手に入りますので、
常にダンボールで作業しているご家庭なら一つ準備しても良いかも
しれません。あって損はありません。

優れた形のダンボール

入れる物によって形が選べるダンボールですが、
最近も優秀な形に出会ってしまいました。

中に入っていたのは愛媛のミカンですが、
運ばれてきた状態はただのボックス型で、
開けるのはテープを剥がさないワンタッチ式。
と、ここまでは普通かもしれませんが、
なんと、持ち手が組み立てられる形になっていたのです。

このような形だと手芸用品や大工道具を入れることも出来、
作業途中の物も入れて持ち運びが出来ます。

送られてきたミカンでも量が多いと思ったらそのまま手提げを持って、
お裾分けする先にも持って行くことが出来ます。

ミカン農家の配慮でこの素晴らしい形が採用されたのでしょうが、
それを提案するダンボールメーカーにも感心します。

この形は底が風車式でワンタッチ組み立てになっており、
蓋は差し込み式になっていますのでテープが不要の物になっています。
蓋は四方から伸びており、対角線上に持ち手となる部分2カ所、
持ち手を固定する部分が2カ所という風になっていました。

メーカーによって呼称は違うと思いますが、
ワンタッチ、差し込みで探すと似たような物が出てくるかと思います。

最終的に手にする方にとって扱いやすいよう、
様々な形が登場しているのですね。

ダンボールが作られるまで

ダンボールはほとんどがリサイクルされた古紙が原料となっています。

集められた古紙はビニールやそのほかの不純物が取り除かれ、
お湯の中で溶かされていきます。
その後は紙すきを見た方はご存知でしょうが、
そのようにして原紙が作られていきます。
勿論全てオートメーションで行われます。

すかれた原紙は水分を蒸発させ薄い紙になります。
そのときに艶などを調整するようです。

原紙は、ダンボールになるべく加工されますが、
そのままのものは表面にあるライナーとして使われ、
フルートと呼ばれるものはコルゲータと呼ばれる機械にかけて
波型の形状に加工されます。

商品が入っている箱、ある程度まとまった数を入れる中箱は印刷をすることが多く、
この段階で原紙に印刷されます。

そうやって原紙それぞれに加工や印刷が施され、
ダンボールの形状に加工されていきますが、
接着剤が乾きやすいよう熱も加えられます。

その後、型を抜いて仕上がりです。

全てがオートメーションで進み、
そこで作業をされる方は機械の調整や補助的なこと、積み出しということをします。

私が見たものは動画でしたが、
近くに工場があれば見学することができるかもしれません。
大きな工場で作られていました。